14.Diploma

 間が空いてしまいましたが元気にやっています。この前は同僚が誕生日パーティーを開いてくれました。海外あるあるですがインスタとかで焼肉見るたびに恋しくなっていたので、牛角に行きました。

 それは置いといて、卒制について。自分の場合は卒制のアウトプットはそんなになんですけどそれまでに考えたことが大事だと思っていて、それを書いていたらクッソ長くなったので急遽アウトプットの紹介だけというコーナーにさせてください。。ていうか誰も興味ありませんよね。。結果だけめっちゃ噛み砕いて書きます。この3倍ぐらいの思考プロセスに興味がある人は、連絡してくれたらお見せします笑ちなみに各設計について語りだすとさらにかかります。笑

 結論からいうと、渋谷駅の真上にスタジアムをぶら下げる提案をしました。はい。んで、1日200万人も通過するし地下でいろいろ土木の工事もしてるし、都市計画も絡んでるしなにやら時間がかかるので、10年以上の施工計画の途中で開催されるオリンピックで、今回初めて追加されたスケートボードの会場を工事途中の現場に仮説で設置して都市の更新に都市の祝祭をハックしよう!と言う案です。

 都市系卒制あるあるの、床の原理、ビッグネスに対するアンチテーゼと言うテーマも少し古いなぁと思っていたので、構造とか環境とかも考えた整合性の取れた(ゼネコンっぽさをあえて肯定して)最終形に対しては案の定各講評会では面白く思われなかったです。1分でわかる内容が全て系の講評会では結果は振るわれなかったですし(某仙台とか某JIA)。ただ最終形に関しては造形も楽しんで設計する喜びを自分の中にちゃんと感じてました。デザインは好きです。模型作ってくれた後輩には頭が上がりません。靴舐める勢いです。

 実は施工途中の工事現場にストリートカルチャーの祭典を挿入するという提案を面白がってくれた人がほとんどなのですが、僕としては、最初に出てきたアイデアはスタジアムの方なのです。渋谷駅の周りに超高層が4本くらいぽんぽんたって品川っぽくなるのですが、真ん中に皿があるとそれを囲む形になるので、真ん中でやってるお祭りを見に超高層に新しい人の流れができたらいいなって思っていました。「都市をスタジアムに」をコンセプトに据えて、超高層と街の新しい空間の関係性を探っていました。我ながらわかりやすい!

 こういう「包囲性」みたいな関係性を建築で遊ぶのは結構前からやられていますが、このスケールでやった人はいないだろうと思ってやりました。多分実際ではコンテンツ自体はほとんど遠くて見れないですけど、世の中には「ぶいあーる」と言う仮想物までリアルに近く感じることのできる魔法のツールがこの頃にはかなり解像度高く完成しているので問題ありません!ということにしました。スタジアムを吊るとかできんのって思っていましたが、図書館で見つけた東京国際フォーラムコンペ集の中に同じく大ホールを吊ってる案があったのを見て、元気をもらっていました。笑

 まあ例えばミスチルのライブに行って、桜井和寿がゴマ粒くらいにしか見えなくても、聞こえてくる声の99%がスピーカーで拡声されたものだとしても、その空間にいるという事実は自分の経験そのものを非日常なものにしてくれます。要は知覚される情報の解像度どうこうではなく、フィジカルに場を共有することで生まれる空間の祝祭性を日常と隣り合わせの場所に提案する。これが卒制のテーマでした。

 工事現場にスケートボードを挿入するのは言うなれば後付けです。これをメインにして逆にこれだけしっかり提案すればよかったと言うフィードバックももちろんありました。渋谷とストリートカルチャーの関係は切っても切り離せないので、最初はプレゼン向けにコンパクトに抑えることも頭をよぎりましたが、どっちのテーマも好きなのでどっちもプレゼンすればいいやという主観的な願望を優先させました。オリンピック終わると壊されて終わりってなんか悲しいし。客観的に見たら要素過多になりましたが、それが自分らしい提案になったと思います。。この時代の原理主義は解像度粗いだけで好きじゃありません。プレゼンボードは評価のために、内容は自分満足で卒制しました。

 ただ最近はバンクシーとかで話題ですが、メインカルチャー化するストリートカルチャーと言う現代的なテーマも深堀りしている人はたくさんいるかと思います。実際日本もここ数年の再開発ラッシュで安全面さえクリアできれば現実的に都市の更新を舞台にいろいろ可能性は見出せる気もします。もし将来機会あればぜひとも挑戦したいと思います。なんなら今もNYで知り合いと何やら怪しい計画を画策してます笑。いうなればハッキングのサラダボウルNYでグラフィティの建築バージョン笑。モデリングツールも大分UIの技術ハードルが下がってるし、建築デザイン自体のハードルも下がるのは自明ですが、それをポジティブに捉えたいなと。誰もが気軽に空間をアップデートしていける世の中に20世紀型の建築家は必要ないかもしれませんが、そんなに悪くない気もしています。そういったクリエイティブのインフラ作りには興味があります。

MOCCHI

Tech-Tech-MOCCHI

NYの建築事務所でインターンしている建築大学院生のブログです。

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