5.海外インターンの準備【その3:skype面接】

どうも、お久しぶりです。

先週はというと喉風邪引いてダウンしてしまいました。きっと家に来た時に数日間毛布がなくて(アメリカのamazon配達は本当に適当)タオルケットで寝ていたからだと思います。アメリカは市販薬の種類も充実していて、DayQullという薬が大変効きました。

さて、なんだかインターン準備編が長くなってしまいこっちでの生活のことが書けていませんが、準備編以降の更新に任せるとして、今回はポートフォリオ審査が通った後の話をしたいと思います。少し抽象的で長くなりますがご了承ください。


通例、どの先輩に聞いても「面接まで行けば通ったようなもんよ」と言う返事が返ってくる面接に、何故僕は落ちたのか。自分の失敗を赤裸々に語り、考えられうる対策を書くことで少しでもお役に立てれば幸いです。


まず、大前提としてどこの国も、面接の目的は英語のコミュニケーション能力の確認とポートフォリオの深堀りの二点です。

①英語力について

僕の知る範囲なのであくまで実感ベースですが、ヨーロッパや南米、アジアの事務所で英語がネイティブレベルじゃないといけないという事務所はほとんどないと思います。明確な基準がなく具体的なスコアを書けなくて恐縮ですが、TOEFLスコアなどを出さなくても面接で意思疎通ができれば、英語力がそこまで高くなくても採用されている人は結構いるというイメージです。
意思疎通レベルというのは、語彙力の不足はジェスチャーや類義語などで置き換えて説明したものを理解してもらえ、相手の言っていることをだいたい理解できれば十分だと思われます。
実際英語力はすぐに上がるものではないのですが、面接でどういう話をするのかは想定できるので、説明するのに必要な単語を調べておくとか、頭の中でシミュレーションして望めば、意思疎通するだけのレベルであれば割とどんな人もこなせるのではないでしょうか。

 ちなみに、英語力の評価の厳しさは国によって異なります。英語圏と非英語圏でかなり異なってくるのですが、この違いが案外大事だったりします。

 全ての国を把握しているわけではないし、事務所によって異なるかもしれないのであくまで参考ですが、語学力の評価の違いは現地の学生がどのポジションで入ってくるかが関係していると勝手に思っています。

 例えば北欧やオランダなどでは基本的に現地の学生は所員の一番下という役職(インターンの一つ上)で入ってくるらしいので、インターンはバイトに近く、純粋に国外インターン生たちとの間で戦うことになります。

 スペインやポルトガル、イタリアなどのラテン諸国になると、現地での英語話者の存在率が下がる分ハードルも下がりますが、中には規模が大きくとも英語でなくスペイン語など現地語を求めてくる事務所もあるので注意が必要です。また、EU圏内の国はインターンに給料を出すことが義務付けられているのにも関わらず、無休になるケースも増えてきます。その分物価は安いですけど。

 スイスは交換留学とセットでインターンしている生徒が多いですが、短期有給インターンは学生ビザだと労働許可を現地で得る必要があるそうで、そのハードルが高いようです。ドイツ語ができたら強いと聞きますが、基本的に英語で問題ないと思われます。給料も高く労働環境も北欧スタイルでとても羨ましいですが、物価は死ぬほど高いです。

 ヨーロッパ全般的に、インターンは日本のインターンの感覚に近く、その分語学力に関するハードルはそこまで高くないのかなと思っています。

 一方アメリカでは、現地の学生がインターンからキャリアをスタートさせたり、大学がサマーインターンを割と必修として学生にさせている習慣から、現地の大学生がわんさかインターンにアプライしてくるわけです。ビザ手続きは事務所にも金銭的にも作業的にも負担をかける作業でもあるので、よほどのメリットが見込めない限り近場の優秀な現地の学生をとった方がお得という発想になるらしいです。

実はアメリカの事務所に突撃してわかったことですが、ヨーロッパの事務所と比較してもやはり断然面接で落ちた日本人は多いと感じます。

ですので、英語圏の事務所を受ける場合、相当念入りに面接対策をするべきだったのですが、僕はヨーロッパの事務所に行った先輩からしか対策を聞いてなかったため、結果的に準備不足の状態で面接に臨むことになりました。

 ちなみに同じ英語圏でもイギリスは割と特殊で、ビザ取得とアプライの順番が入れ替わります。年二回1月と7月に行われている抽選でワーホリビザを自分でとってからアプライすることになります。そのため、イギリスの事務所に絞ってアプライする場合はアプライも大事ですがビザにも目を配らなければならないので少しハードです。しかも運ゲー。イギリスの事務所と実は数事務所とやりとりしたことがあるのですが、ビザはとってるのか?って面接の前に聞かれました。

 長々と書きましたが、要点は、「アメリカの事務所は面接が特に大切」ということですね。そもそもポートフォリオ審査もなかなか通ってくれませんが。。


②ポートフォリオの深堀りについて

ポートフォリオは作ってみるとわかりますが、データ上限もあることから、作品の内容を100%書類だけで伝えるのは難しいものです。基本的に文章は書いても向こうの人は読んでいない想定で臨むのがいいでしょう。この図面のこの部分は何を意図しているの?というような形で、ビジュアルから説明できるようシミュレーションしておく必要があります。シミュレーションはポートフォリオ作成途中からでもできますね。以前にも書きましたが二作品がメインです。


面接の流れについて

実際に僕の経験した面接の流れを書きます。

・ポーフォリを出した翌日、向こうから面接の日程を調整したい旨の連絡メールが来ます。候補を提示してくるので、自分の空いている時間を答えると言った日程調整をしばらくメールでやりとりすることになります。

基本的には、ポートフォリオ審査に合格した場合は送ってすぐというケースがほとんどですが、中には3ヶ月後にやっぱりこない?という連絡を受けた方もいるらしいです。返事がこない場合は気づいてもらえていない可能性があるから、一週間に一回送りつけるといいと言われていますが、それで連絡がきたという人にはまだ会ったことがありません。事務所に直接電話して見てもらえるよう頼むといいらしいです。

・その週か翌週に面接のアポを取り付けます。海外事務所の場合面接はskypeを使うので、skypeのIDを伝えます。基本的にポートフォリオを送付してから面接まで時間があまりありません。面接対策は、アプライの前からやっておくべきことです。


面接当日。

向こうからskypeがかかってきてインタビュースタートです。以下、流れです。全体で30分から1時間の面接になります。

・簡単な挨拶のあと早速、「自己紹介」してと言われるので、CVに書いてあることを言います。あまり賞歴などをだらだら言っても日本のコンペとか海外の人は知らないので逆効果だと思います。

どこの事務所もwork experienceの詳細を聞いてきたので、具体的な作業内容やプロジェクトの種類を説明できるようにしておいたほうがいいでしょう。


ポートフォリオの中で2作品説明してと言われるので、説明します。説明を遮って質問されるので、その都度柔軟に答えます。

原稿を用意しても遮られると話題も飛ぶし遮られるし、頭がパニックになると関係のないところを読んでしまって元も子もなくなってしまうので、個人的には原稿は最低限に止めたほうがいいと思います。

ポーフォリの説明が終わると、向こうの人が事務所でできること、今後の流れ(合格したらいついつまでに連絡するので、連絡がなかったら落ちたってことになるなど)をざっくりと数十秒くらい説明して最後に、「他に聞きたいことはありますか?」と聞いてきます。

この時にないと答えて終わってもいいですが、せっかくなので事務所の雰囲気や労働条件などを聞いても言いと思います。日本人は受け身というイメージを世界共通で持たれているので、ちゃんと質問する姿勢はプラスに働くと思っています。


流れというほどのものでもなくいたってシンプルでしたね。ちなみにアメリカの事務所は原稿を読んでいることを見抜いてきます。向こうにデータ送ってすでに見てもらっているのにディスプレイ共有して説明してとか絶対原稿読み対策だし、アメリカの事務所で働いている先輩は原稿読むのやめてって面接中に言われたらしいです。原稿を読む海外インターン生と面接する機会が多いんだろうなと推測します。

さて、体調が芳しくなく今日は著しくまとめる能力が低いですが、最後に面接対策でしたほうがいいことを完結にまとめて終わります。

①skypeに慣れるためにもskype英会話などをやっておく。

一度スカイプの音声が聞こえなくなり、アクシデントになった時に英語で伝えるのを手間取った経験があります。skypeの設定などは事前に把握しておいたほうが絶対にいいです。DMM英会話とかは月5000円で毎日30分skypeで英会話できるのでオススメです。個人的にはskypeはUIよくないし(このブログもまあクソだけど笑)使いたくないアプリケーションなのですが、どの事務所もこれを使っているのでわがまま言っていられないですね。

②アプライの前から脳内シミュレーションで面接対策

事前に準備できるのは

・work experienceの深堀
・ポートフォリオの説明
・相手方に自分から質問する内容

くらいですね。英語は頑張りたいですね。僕は本当に英語が嫌いでしたが、毎日英会話をやったり単語やったりシャドウイングやったり無理やり勉強しました(地獄)。英語できない人の気持ちがわかる分、だからこそ、ネイティブじゃないけど行動力のある人を応援したいと考えています。僕も日々頑張ります。

 使っている方もいるかもしれませんが、meetupというアプリで外国人交流イベントに参加すると安く酒飲みながらネイティブと話せるのでオススメです。

 あとはスピーキングにはELSA、リスニングにはTEDとedx、シャドウイングにはEnglish Centralというサイトがオススメです。毎日英語記事を読むのもリーディング対策になります。

 ちなみになんですが、結局のところ僕のケースはskypeではなく現地面接で決まりました。日本人でアメリカで働いたことのある先輩が言うことには、アメリカは「そういう文化」らしいです。

コンペ賞金などで少し準備資金に回せるようでしたら、直接訪問してインタビューを受けることを強くオススメします。生で話すとなぜか断然英語も聞けるし、話せるし、雰囲気もわかるし、向こうの人も熱意をくんでくれるし。僕は2日間滞在で3事務所インタビューしたのですが、そんなバカでリスキーな事はせずに、2週間程度でじっくり回ったほうがいいです。ただ、それでも落ちましたが、、、。


 今日はここまで!みなさんご存知MOMAの写真をあげておきます。。休日に行ったら混んでいましたがやっぱり良かったです。新館を設計した谷口吉生に対するリスペクトをスタッフの人みんな持っていて、アートや建築に対する距離感の違いをアメリカと日本の間でひしひしと感じていました。

MOCCHI







Tech-Tech-MOCCHI

NYの建築事務所でインターンしている建築大学院生のブログです。

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